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現地に行けない?日本の「内見パートナーサービス」をご紹介

最新情報:2025年8月22日

日本にはユニークなことが数多くありますが…その一つが「物件の見学方法」です。

日本で住まい探しをしているけれど、実際に足を運んで内見できない場合、「内見パートナー」があなたの代わりに物件を訪問し、詳細な写真や動画、そして率直なフィードバックを提供してくれます。

これは日本で広く普及している人気のサービスでしょうか?そのメリットと、検討すべき理由は何でしょうか?遠隔地から物件を見学できるバーチャルツアーはどうでしょうか?このユニークなサービスについて詳しく見ていきましょう。

日本の「内見パートナー」サービスとは?

日本特有のサービスのひとつに「内見パートナー(Viewing Partner)」があります。これは、あなたの代わりに物件を見学し、詳細な写真や動画を撮影し、知りたい情報をすべて報告してくれるサービスです。多忙な方、遠方に住んでいる方、または現地に直接行けない方にとって非常に実用的な仕組みです。

日本語では一般的に「内見代行」「内見パートナー」と呼ばれるこのサービスは、現地の代理人(研修を受けたアシスタント、不動産関連の専門スタッフ、またはコンシェルジュ型のスタッフ)が賃貸物件や売買物件を訪問し、内見を行います。その際に、写真やチェックリストを用いて記録を残し、後日レポートとして提供したり、オンラインでのライブ中継内見を行ったりします。1回ごとの利用料を支払うオンデマンド型のサービスであり、自分で現地に行けないときに、正確かつ現場に即した情報を得られる方法です。

日本で広く普及しているのか?

結論から言えば、「成長中だが、まだニッチ」なサービスです。コロナ禍の時期には、多くの不動産会社や関連事業者がリモート内見やオンライン内見の導入を急速に進めました。実際、2020年の時点でも、MMD研究所の業界調査によれば、約37.9%の人が物件探しの際にオンライン内見を利用したと報告されています。

出典:MMDによるCOVID-19流行中の不動産検索に関する調査

オンライン内見を経験した人のうち、52.3%が「今後は対面とオンラインの両方を利用したい」と回答し、さらに37.4%は「物件探しの際はオンライン内見のみを利用したい」と答えています。

出典:MMDによるCOVID-19流行中の不動産検索に関する調査

コロナ禍が収束した現在でも、従来の対面内見や不動産会社による案内ツアーが多くの顧客にとって主流であることに変わりはありません。しかし、こうした有料の「内見パートナー」サービスは、現地に行けない方や時間的に大きな制約がある方にとって、そのギャップを埋める有効な選択肢となっています。

一方で、LIFULL HOME'Sが実施した最新の2024年調査によると、日本におけるオンライン内見の需要は顕著な安定を示しています。不動産会社の38.2%がオンライン内見を提供していると回答しました。回答者の約45%は、新型コロナウイルス流行期に導入されて以来「利用状況は変わっていない」とし、さらに29.7%は「利用が増加している」と報告しています。減少したと答えたのは約25.5%にとどまり、業界の大多数が「リモート内見は今後も定着していく」と考えていることがうかがえます。

出典:LIFULL HOME'S 2024年ピークシーズン調査

出典:LIFULL HOME'S 2024年ピークシーズン調査

内見パートナーサービスのメリット

  1. 時間の節約・利便性 — 移動やスケジュール調整、不動産会社での待ち時間を避けられます。多忙なビジネスパーソン、子育て中の方、または一日に複数の物件を内見したい方に最適です。
  2. 遠方からの引越しに対応 — 他県や海外から移住する場合でも、内見パートナーが現地で撮影した日時入りの写真・動画やチェックリスト形式のレポートを提供することで、安心して判断できます。
  3. 客観的でチェックリストに基づく報告 — 多くのサービスでは、寸法測定、設備の写真、騒音チェック、周辺環境の確認などを盛り込んだ構造的なレポートを提供します。現地で自ら確認できない購入者や投資家にとって有効です。
  4. 通常営業時間外での対応 — 一部のサービスでは夜間や時間外の内見も可能で、シフト勤務の方に便利です。
  5. 移動費と比較したコストメリット — 新幹線での長距離移動や飛行機を利用して複数の物件を見に行く場合と比べると、1回あたりの内見代行費用の方がはるかに割安になることがあります。
内見パートナーを利用すべきタイミング

以下のいずれかに当てはまる場合、内見パートナーの利用を検討するとよいでしょう。

  • 他県や海外に住んでいて、すぐに現地へ行けない場合。
  • 投資目的やデューデリジェンス、または同席できない家族のために、客観的で記録に残るコンディションレポートを必要とする場合。
  • 実際に現地を訪れる前に候補物件を絞り込みたい場合。

賃貸契約や購入を現地確認なしで行う予定がある場合は、内見パートナーのレポートに加え、信頼できる友人や仲介担当者による最終確認を組み合わせることをおすすめします。現在は、物件探しの効率化やコスト削減に役立つさまざまなリモートツールが存在します。可能であれば、契約前に最終候補の物件を一度実際に確認することで、より安心して判断できます。

リモート内見の代替手段としてのバーチャルツアー

バーチャルツアーは、従来の内見パートナーによる2D写真や録画映像、あるいは不安定になりがちなビデオ通話と比べて、利用者が360°自由に見渡せる点から、世界的にリモート内見の標準的な手法となっています。

その理由は、バーチャルツアーがオンデマンドでアクセス可能であり、複数の利用者が同時に閲覧でき、不動産会社とのビデオ会議と組み合わせることで、現地訪問に次ぐリアルな体験を提供できるからです。

サービス提供者やプランによっては、360°静止画だけでなく360°動画によるバーチャルツアーの作成も可能です(弊社ではご要望に応じて対応可能です)。その他の機能として、レーザー計測機器を用いた間取り図の再現(既存の間取り図がない場合や、家具の設置可否を確認したい場合に有効)、また周辺環境を把握するためのビデオウォークスルー+環境音の収録(電車の走行音や人通りなどの確認目的)なども提供可能です。

360°バーチャルツアーをリモート内見で利用する際の追加メリット

  • 閲覧者あたりのコストが低い — 一度物件を高品質な360°ツアーやウォークスルー動画として撮影すれば、複数の見込み顧客が追加費用なしで自由に閲覧できます。エージェントと顧客の双方にとって効率的です。
  • 非同期での利便性 — 顧客は物件の各所を何度でも確認でき、間取り図や測定情報があれば再測定も可能です。また、複数の物件をスケジュール調整なしで比較検討できます。
  • ライブでの双方向性 — エージェントはライブガイド付きリモートツアー(ビデオ通話+モバイルカメラ、または360°ツアーの画面共有)を提供可能で、現地案内のリアルタイム回答とリモート内見の利便性を組み合わせられます。
  • 海外からの購入者にも有効 — 時差を考慮した閲覧と詳細なメディア情報により、誤解のリスクを減らし、実際に物件を絞り込むまでは移動を最小限に抑えられます。
  • 不動産会社にとってのスケーラビリティ — 一度建物を撮影すれば、複数の顧客に繰り返しリモート内見を提供でき、成約率を向上させつつ、エージェントの無駄な移動や重複訪問を削減できます。
😊 当社の視点

SHIBUYA360°は、まず第一に「撮影の専門家」であり、不動産写真撮影やバーチャルツアー制作サービスを通じてこの重要な業界により良いサービスとサポートを提供できるよう、不動産市場をより深く理解することに努めています。

私たちはバーチャルツアーのサービス提供者であるため、リモート内見には内見パートナーよりもバーチャルツアーの利用を推奨する傾向があります。しかし、顧客の状況は一人ひとり異なるため、ケースによってはどちらの方法がより適しているかが変わります。

リモート内見を行う際に、内見パートナーとバーチャルツアーのどちらを利用すべきか迷っている場合の、簡単な推奨ポイントは以下の通りです。

  • 臭いや環境音、微細な問題を確認したい場合 — 現地での人による内見が最も確実です。

  • 物件の候補を絞り込む場合 — まずバーチャルツアーで選別し、その後ライブのリモートウォークスルーを利用して残りの確認を行うのがおすすめです。バーチャルツアーを活用することで、迅速に選択肢を絞り込み、自分の時間や内見パートナーを使って、より重点的に候補物件の確認が可能になります。最終的な1~2件の候補については、内見パートナーに最終確認を依頼するか、自分で現地確認を行い、契約前に物件を一度確認すると安心です。
  • 騒音や寸法など、特定の懸念がある場合 — バーチャルツアーサービス提供者に代理での確認が可能か相談しましょう。一部のサービスでは、臨時のリクエストや、追加料金での部屋寸法計測など、付加価値サービスを提供している場合もあります。

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